建築設備士合格のために必要だと思われる情報として、試験方法の変更について解説します。
公式発表は以下のとおりです。
一言で言うと、令和2年度から試験の難易度が「難化」しました。
令和元年度までは、講習会を受講して講習会テキストの予想問題を丸暗記していれば合格できると言われていました。
令和2年度の変更後は、大手予備校および講習会の予想問題の解答を丸暗記しただけでは、合格することは難しくなった印象です。
何が変更されたのかを記述と製図に分けて、実際に問題を確認してみましょう。
まず最初に基本計画(必須問題や記述とも言われます)です。
照明器具における問題文を比較してみましょう。
変更前
令和元年「スポーツクラブのある複合商業施設」基本計画 第5問 4 階のプール室に設ける照明設備(非常用の照明装置及び誘導灯を除く)の計画について、その要点をいくつか述べよ。
変更後
令和4年「市民センター( ZEBを目指した建築物)」基本計画 第7問 4 階の事務室(市役所の出張所)に設ける照明器具(非常用の照明装置及び誘導灯を除く。)の選定方法について三つ、具体的に記述せよ。
変更前:「要点をいくつか述べよ」 変更後:「選定方法を三つ具体的に記述せよ」
変更前では、照明器具に関わることであれば何でもOKに対し、変更後は選定方法について問われているので、「照明器具の配置は、明るさのムラがなくなるよう均斉度に配慮する。」と記述しても○は貰えないと思われます。無論、空白よりかはマシですが・・・。
次に製図です。
試験元(公益財団法人建築技術教育普及センター)は、以下のように公式発表しています。
建築設備基本設計製図(選択問題)において、変更後の「共通の各平面図」の出題内容は、変更前の「選択の平面図」と概ね同程度のものとなります。なお、変更前(令和元年以前)の試験問題は、当センターホームページに掲載していますので、ご参照ください。
建築設備士試験の試験方法の変更について(更新版)より引用
※第4問(2)を切り抜いて貼る
空調・衛生・電気に分けて確認してみましょう。
1 空調
変更前:換気設備のダクト図+空冷ヒートポンプパッケージエアコン
変更後:空調設備のダクト図(変風量単一ダクトの配管図+機械室内機器配置図)またはFCU 図(冷温水管+ドレン管+機器配置)
2 衛生
変更前:便所における給水+排水+通気の配管図
変更後:便所における給水+排水+通気の配管図または厨房における給水+排水+通気の配管図
3 電気
変更前:「空調設備の配管図」及び「全般照明の照明器具、非常用の照明装置、自動火災報知 設備及び非常放送設備の配置図」
変更後:照明器具設計台数の計算記述問題+全般照明の照明設備、非常用の照明装置、自動火 災報知設備、非常放送設備及びコンセント設備の器具の配置図
一言で言うと、覚えることが増え、かつ、図面の難易度が上がりました。 著作権の関係で図面は載せられませんが、参考解答例(図面)を見ていても難易度が上がったと感じます。
以上が難易度が難化したと言われる根拠です。
なお、選択問題の難易度は変更されていないと感じるため解説は省略します。
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