試験会場の印象と改良点
今年、東京会場での試験は昨年と比べて大きな改善がありました。まず、受験生一人ひとりに専用の机が用意され、スペースにゆとりがありました。これにより、他の受験生との距離が適度に保たれ、試験中の集中力が非常に高まりました。また、席の配置は前後で互い違いになっており、視線や動作が気になることもなく、ストレスフリーな環境で試験に臨むことができました。
試験環境が改善されたことで、余計な心配をする必要がなく、試験内容に集中することができました。こういった細かな点での配慮は、試験のパフォーマンスにも直接影響します。来年度以降も同じような配慮が続くことを期待しています。
試験内容と得点の感覚
私は今年、衛生を選択しました。各分野での体感得点率を以下にまとめます:
- 基本計画(必須問題):5~7割
- 基本設計(選択計算):7割(7問中5問正解)
- 基本設計(選択系統図):7~8割
- 共通製図(空調):9~10割
- 共通製図(衛生):9~10割
- 共通製図(電気):8~9割
この得点感覚は、過去問演習や事前の模擬試験での成績と照らし合わせても大きく外れていないと思います。しかし、今回の試験で感じたことは、単に知識を詰め込むだけではなく、条件の読み取りや問題の意図を正確に把握することが、点数に直結するということです。
特に、基本設計(選択計算)や基本設計(選択系統図)では、例年と異なる条件提示があり、受験生の思い込みや慣れで解こうとすると、引っかかりやすい設問が多く見受けられました。こうした問題に対応するためには、柔軟な思考力と冷静な判断力が求められます。
試験全体の総評
基本計画(必須問題)
全体的な難易度としては、例年通りのレベルだと感じました。易問、標準問題、そして難問がバランスよく配置されており、特に照明設備計画に関しては少しひねりが加えられていました。このような「変化球」の問題は、しっかりと準備していればむしろ得点を伸ばすチャンスです。試験対策としては、基本的な知識に加えて応用力を養うことが必要だと感じました。
基本設計(選択計算)
この分野の問題は標準からやや難しいレベルでした。条件提示が複雑化しており、例年とは異なるアプローチが求められました。過去問をきちんと対策していれば、決して太刀打ちできない内容ではなかったものの、出題形式の違いから一部の受験生は条件読み取りミスを犯したのではないかと思います。
特に注意が必要なのは、「引っかけ問題」が存在することです。見慣れた問題形式だと安心してしまいがちですが、細部の条件に引っかかると大きな失点を招きます。
共通製図(各分野)
空調、衛生、電気の3分野に関しては、易しい問題が多く、点数を稼げるポイントがたくさんありました。特に、共通製図(空調)や共通製図(衛生)に関しては、ほぼ満点を狙える問題が多く出題されていたため、受験生全体の得点も高めだったのではないかと思います。しかし、共通製図(電気)では、私は感知器の配置ミスを犯してしまい、感知器を正しく配置できなかったため、ここでの失点は大きな反省点です。
合格への戦略と反省
筆者としては、選択計算(機器表)で2問落としていなければ、合格圏内だったと考えていますが、今は発表日を待つしかありません。今年度の課題は「温浴施設のある複合商業施設」というテーマでしたが、これは非常に幅広い設備が考えられるため、事前の準備が難しかったです。どんな設備が出題されるかの予測は難しいものの、できる限りオールカバーするための対策が必要だと感じました。
この試験で特に重要だと感じたのは、必須問題です。特に令和2年度以降、出題内容の予測が困難になってきており、資格学校ですら確実な対策を講じるのが難しくなっています。そのため、問題に対する「答えの引き出し」を増やしておくことが、他の受験生との差をつけるために非常に重要です。
実務経験の重要性と情報収集の方法
この試験では、やはり実務経験者や現場経験者が有利です。ベテラン勢と同じレベルに達するためには、①総合資格などの資格学校を利用して情報をお金で買うか、②インターネットや参考書を活用して、自分で時間をかけて情報を集めるしか方法がないと考えています。筆者は、職場の同僚から総合資格学院のテキストを見せてもらったのですが、講習会の資料に比べて非常に質が高く、特に必須問題の解答例が豊富で、計算問題も正確で分かりやすいものでした。このような教材は、フリマサイトなどで購入する価値があると強く感じました。
SNSから見た受験生の声
SNS上では、「今年の衛生は難化し、空調や電気を選択した受験生が有利だった」といった意見が散見されました。確かに、衛生の問題は例年よりも複雑だったように思います。もし今年の試験で不合格になった場合、来年は空調選択を真剣に検討しようと思います。選択科目の選び方も、合否に大きく影響することがわかりました。
まとめ
今年の試験を通じて感じたのは、「過去問演習だけでは不十分」ということです。出題形式が変わることもあるため、常に最新の情報をキャッチし、どのような問題にも対応できる準備が求められます。また、確実に得点できる問題は必ず取りこぼさないことが合格への近道です。
今後、試験を受ける皆さんも、総合資格学院のような専門学校の教材をうまく活用しつつ、自分に合った勉強法を見つけて、無駄な失点を避けながら合格を目指してください!
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